剣道情報

【大会速報】第71回全日本学生剣道優勝大会2023『梶谷彪雅の感想』

今回は2023年11/5に開催された『第71回全日本学生優勝大会』の試合速報に加えて決勝戦を見ての感想をお伝えしようと思います!

11/3には世界中の剣士が注目する『全日本選手権』がありました。見ていない人は居ないと思いますが、私なりの感想もブログに簡単にまとめておりますので興味がある人は覗いてみてください!

【結果報告】第71回全日本学生剣道優勝大会2023

結果名前都道府県
優勝法政大学東京都
準優勝日本体育大学東京都
ベスト4筑波大学茨城県
國學院大学東京都
ベスト8鹿屋体育大学千葉県
順天堂大学東京都
明治大学東京都
立命館大学京都府

まずは優勝された法政大学さん優勝おめでとうございます!30年振りの5度目の全日本学生優勝ということで、改めて日本一の険しさを感じさせられました。頂点に立つためには剣道の強さが全てではなく、日本一にふさわしい人が優勝するものだと思います。

全日本選手権と違って個人戦ではなく、団体戦なので1人が圧倒的な力を持っていても意味がありません。また強い選手が集まっているから優勝できるわけではないのです。

実際に梶谷彪雅自身も大学時代に感じたことですが、7人制の大会なので5人制の団体戦より難しく、組織力が試される大会だと感じています。

【決勝戦】第71回全日本学生剣道優勝大会2023

日本一を決める一番注目される決勝戦を解説させいていただきます。決勝戦の結果は下記のとおりです。

○法政大学6(10)1(2)日本体育大学△
中尾藤島心
高橋コメ谷川
三宅松栄
鮫島西口
矢野メド藤島剣
鈴木メコ新谷
阿比留ココ山本

まさかの三将の時点で法政大学の優勝が決まってしまうという展開で驚きました。それだけではなく、もう一つ驚いたのが法政大学決勝メンバーのうち4年生は1人だけという所です。

日本体育大学は4人が4年生ですが、それに対してこの差で優勝している事に腰が抜けてしまった。メンバーの出身校や学年については下記の通りです。

【法政大学】
  • 先鋒 中尾(1年・九州学院高)
  • 次鋒 高橋(2年・秋田商業高)
  • 五将 三宅(3年・龍谷高)
  • 中堅 鮫島(2年・九州学院高)
  • 三将 矢野(3年・福大大濠高)
  • 副将 鈴木(3年・九州学院高)
  • 大将 阿比留(4年・明大中野高)
【日本体育大学】
  • 先鋒 藤島心(2年・福岡常葉高)
  • 次鋒 谷川(1年・育英高)
  • 五将 松栄(3年・高千穂高)
  • 中堅 西口(4年・福大大濠高)
  • 三将 藤島剣(4年・福岡常葉高)
  • 副将 新谷(4年・水戸葵陵高)
  • 大将 山本(4年・奈良大附属高)

※決勝戦のコール情報なので、間違っている場合はSNS等でご指摘いただけますと幸いです。

【決勝戦:感想】第71回全日本学生剣道優勝大会2023

早速決勝戦の試合感想の状況解説とその中で感じ取れる感想を簡単にお伝えしていきます。

『先鋒戦』は日体大の藤島選手が引き技からの前技を決め、引き技から急ストップでの面技を決めました。あれが打てるのも中尾選手の後打ちの反応が早いため打つことができました。

普通に引き技だけを藤島選手が打突していたらあそこでの面技は決まらなかったのではないかと予測します。足捌きや体幹力がないと引き技からの前技は難しいので、さすが学生トップクラスの試合展開だなと感じました。

その後、中尾選手も完璧なタイミングでの技も出ていましたが、藤島選手がしっかりと対応していたため、1本に決め切ることができず日体大のリードとなりました。

『次鋒戦』では、華麗な出鼻小手と飛び込み面で法政大学の高橋選手が勝負を決めました。団体戦での先鋒戦が勝利した後の試合展開は非常に大切になります。さらに2本目の面打ちはチームとしても大きく勢い付く打突でしたね。

1本目の谷川選手の面打ち自体は振り幅が小さく良い面打ちでしたが、おそらく打突前の左足の引き付けの起こりを高橋選手は見逃さなかったと思います。おそらく出鼻小手を狙っていたというより『打てる!』と感じた瞬間には小手を打っていたような感じでした。

2本目の飛び込み面の場面ですが、谷川選手が攻めて間合いに入ったのに対して、その場で足が止まってしまった為、打たれてしまいした。間合いに入る時は打つことを決めて入らなければ、相手が打突してきた時に反応できなくなってしまいます。

『五将戦』では、三宅選手が引き小手を決めての1本勝ち。体格が凄いのは松栄選手ですが、1歩も引かないメンタリティと足捌きと打突スピードで勝利を収めた。

ここまでで感じたことが『法政大学の足捌きがすごい』ということです。とてもに細かいので注目してみて下さい。おそらく足捌きと下半身強化にかなり力を入れているのではないかと私は感じました。

『中堅戦』では、鮫島選手が反則後に回して小手を決めた。その前のシーンでも面フェイント小手が惜しいシーンがありました。1本取られるシーンで西口選手は裏面を狙っていたので、鮫島選手が避けるor胴技を狙ってくる事予測していた可能性がありますね。それに対して回す動作によって、小手をフェイントしてから裏をかいての小手打ち。

実際にはここまで明確に試合上では予測できてはないと思いますが、実戦での経験値や感覚値が光った小手打ちでした。

『三将戦』では、王手をかけた法政大:矢野選手となんとしてでも返したい日体大:藤島選手が激突します。試合後半で裏の引き面を決めた矢野選手。実は試合序盤頃にも惜しい引き面を打っています。それも全く同じ動作、全く同じ別れ際のタイミングでした。

おそらくあの引き面は練習している引き面で得意なパターンの1つだと感じました。そしてなんとか取り返したい藤島選手の飛び込み面の後、矢野選手の返し胴が決まりましたがなんとコメントすれば良いのか。笑

8段の先生が打つような左側に抜ける返し胴を放ち、法政大学の優勝を決めました。この返し胴は試合でなかなか見ることができない技なので、一度は見ていただきたいです。本当にすごいですよ・・・。

『副将戦』では、鈴木選手の返し面が決まり、新谷選手の出鼻小手、最後に鈴木選手の出鼻小手が決まりました。団体戦としてはすでに勝負は決まっていますが、お互い一歩も引かない素晴らしい試合でした。

『大将戦』では、阿比留選手が出鼻小手を2本決めて勝負がつきました。阿比留選手は自分が打つと決めた技が当たらなかった時の後打ち、追撃してくるのが山本選手からすると嫌そうでしたね。相手の動きを見てから技を出す後出しジャンケンができるので、阿比留選手の動きを見て足が止まってしまうと、触れれて試合展開が作りにくくなってしまいます。

副将・大将戦は勝負が決まっていたからこその見所が多く詰まっているので、見ていない人は絶対にみて下さい!

【準決勝:結果】第71回全日本学生剣道優勝大会

準決勝の結果報告と1点だけ感じたことを共有させていただきます!

【準決勝:筑波大vs法政大:結果】第71回全日本学生剣道優勝大会

△筑波大学1(1)2(3)○法政大学
高島中尾
阿部高橋
田城徳藤岡
原田鮫島
矢野
米田鈴木
池田メメ阿比留

この準決勝もお互いが一歩も引かない試合展開が素晴らしかったです。先ほど決勝戦の大将戦、阿比留選手の解説をさせていただきましたが、やはりここも相手の反応を見てからの反応打ちが素晴らしかったです。

1本目は阿比留選手が攻めて、池田選手が後退した後、小手を打ってきました。それに対してワンテンポ遅れての返し面で1本を決めました。

そして2本目も、面を打つふりをしての裏面ですが、もし小手を打ってきても少しは対応できるように普通の面打ちより少し手元を上にあげながらのフェイントなんですよね。なので、おそらく出鼻小手がきても抜き面になるようなイメージです。

この裏面を決める前にも同じような面打ちを狙っていたので、おそらく阿比留選手の得意なパターンなのかもしれません。

【準決勝:國學院vs日体大:結果】第71回全日本学生剣道優勝大会

△國學院0(1)5(10)○日体大
岡本藤島心
河野メコ谷川
井上松栄
鈴木西口
江頭メメ藤島剣
小山メコ新谷
永溪メメ山本

【準々決勝:結果】第71回全日本学生剣道優勝大会

ここからは準々決勝の結果報告のみをしていきます!

【準々決勝:筑波大vs鹿屋体大:結果】第71回全日本学生剣道優勝大会

○筑波大学3(5)2(2)△鹿屋体大
高島板井
田城智大平
阿部原田
原田ココ谷口
米田山本
田城徳中山
池田メコ木村

【準々決勝:順天堂大vs法政大:結果】第71回全日本学生剣道優勝大会

△順天堂大学2(4)3(8)○法政大学
池田ドコ中尾
久川高橋
大澤山下
槻舘ドド鮫島
三戸メメ矢野
伊東鈴木
駒井コド阿比留

【準々決勝:明治大vs國學院:結果】第71回全日本学生剣道優勝大会

△明治大2(4)3(5)△國學院
岩渕岡本
正木河野
三宅メメ井上
齋藤鈴木
加藤江頭
中村メメ小山
相馬永溪

【準々決勝:日体大vs立命館大:結果】第71回全日本学生剣道優勝大会

○日体大3(5)1(4)△立命館大
藤島心富田
谷川政岡
松栄山中
西口田中
藤島剣コメ江戸
新谷徳永
山本反メ竹本

【まとめ】第71回全日本学生剣道優勝大会

今回は『全日本学生剣道優勝大会』の結果報告と決勝戦の試合感想を述べさせていただきました。学生日本一を決める大舞台ですが、選手の皆さんは思い切った試合展開がされており、心踊らされました。

学生の試合は思い切った試合が魅力的で、優勝した法政大学さんは『足捌き』が本当にすごいと感じました。

下半身の強化については継続的にやらないとなかなか身につかない部分なので、みんなで一緒にコツコツと下半身強化頑張りましょう!

大学4年生は今大会が学生最後の全国大会になったと思います。これは私の願いではありますが、これからも剣道を続けて行って欲しいと願っています。

私自身、全日本学生剣道優勝大会も私自身が取材に行くことができず悔しい気持ちでいっぱいですが、剣道世界普及活動をする中で試合の撮影をしたり、選手の方々にインタビューできるように頑張りたいと思いますので今後とも応援の程よろしくお願いいたします!

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